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2023年08月20日
「予防に勝る治療なし」/「こども~おとなのVPD 」

「こども~おとなのVPD 」

VPDって聞きなれない方も多いかと思います。

Vaccine(ワクチン) Preventable(防げる) Diseases(病気)、つまりワクチンで防げる病気のことです。18世紀末に世界で最初のワクチンである天然痘ワクチンが開発されて以来、多くのワクチンが開発され、私たちの病気を防いでくれています。初回ワクチン デビューとなる生後2か月の新生児からシニア世代まで、世代に合わせた接種すべきワクチンがあり、接種することで病気を予防できるのです。

最近話題の10~30歳代対象の子宮頸がんワクチンと、50歳以降対象の帯状疱疹ワクチンにつきお話し致します。

(1)子宮頸がんは発生原因が分かっている数少ないがんの一つで、その原因は皮膚や粘膜に存在するヒトパピローマウイルス(HPV)の子宮頸部への感染が原因です。HPV感染を予防することで子宮頸がんの発症を予防できるのです。HPVワクチンは既に感染しているHPVは排除不能、かつHPV感染症進行予防効果もないので感染前にワクチン接種をすることが望まれます。

(2)帯状疱疹は、過去に水ぼうそうにかかったヒトの体の中にひそんでいたウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)によって起こります。水ぼうそうが治っても脊髄にウイルスが潜伏していて、体の抵抗力が下がったときに再びウイルスが活性化して帯状疱疹を起こします。水ぼうそうにかかったことのある人のうち、約1~3割が生涯に一度は帯状疱疹を発症すると言われています。特に、50歳を過ぎると発症が増え、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。皮膚症状が改善した後も3か月以上痛みが続く帯状疱疹後神経痛は、50歳以上で発症した人の約2~3割に認められます。帯状疱疹ワクチン接種にて帯状疱疹の発症率、及び帯状疱疹後痛の発症率ともに低減してくれます。

現在、日本で接種可能なHPVワクチンは3種類、帯状疱疹ワクチンは2種類あります。いずれのワクチンも適応対象者については接種費用助成があります。ただし、ワクチンには副反応もありますので、ワクチン選択、及び接種可否については、当院にご相談下さい。

予防接種は病気になり易い年齢になる前に接種しておくことが重要です。

「予防に勝る治療なし」と言われるように、ワクチン接種できる年齢になったら、すみやかに接種するように心がけましょう。

文責 岩崎 靖樹

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